【成年後見終了時】財産を引き継ぐ相続人がいない場合
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
戸籍謄本などを収集し、被後見人に相続人がいないかどうか確認した後、相続人が誰もいなかった場合、後見人は、民法952条の利害関係人として、家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任申立てを行うことになります。
なお、相続人がいる場合には、相続人の全員に対して引き渡すか、そのうちの代表者に引き渡すことになります。代表者に引き渡す場合には、他の相続人からのクレームにならないように、予め他の相続人全員から同意書(実印+印鑑証明書)をもらっておくと安心です。
また、相続人に財産を引き渡し場合には、家庭裁判所に対してその旨を報告する必要があります。
成年後見人であった者は、戸籍謄本など相続人が不存在であることが分かる資料を提出し、成年被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、相続財産管理人を選任するよう申立てを行います。
後見人の業務は基本的に被後見人の死亡によって終了してしまいますので、いつまでも被後見人の財産を管理することはできませんし、相談者のように早く自分の手から離したいと思うのが普通だと思います。そして、裁判所が相続財産管理人を選任した場合には、その者に対して、財産を引き渡すことになります。
家庭裁判所は、妥当だと認める場合、後見人に相続財産管理人の報酬を予納させることができます。
裁判所は、相続財産管理人に対して、相当な報酬を与えることが出来ると規定されています。