後見申立前の出金は許されるのか？
後見申立前の出金は許されるのか？
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
身体障害者の弟に関して、成年後見の申立を行いたいと思っています。弟は身体障害者で、住んでいるところが田舎ですから、移動は常に車になります。障害者用のウェルキャブ車の購入を検討していて、後見申立前に弟の預金から引き出して、買ってしまおうと思っています。問題ありますでしょうか？
後見制度を利用するしないにかかわらず、本人の財産は本人のために使用するというのが大原則です。
弟さんは、身体障害者で移動には普通の車ではなく福祉車両という特殊な車が必要になることもあります。
この福祉車両の購入はあくまでも、弟さん本人のために購入するものですから、問題はありません。
今回は、福祉車両ということですが、仮に普通の乗用車であった場合には問題がありそうです。
というのは、健常者が福祉車両を購入するということは通常ありえませんので、本人のために購入したというのが分かるのですが、普通の乗用車だと、自分たちのために購入したのではないかと疑われる可能性があります。
このような場合、後見申立前に購入するのではなく、後見申立後に担当の書記官と相談の上、購入するかどうかを決めるのが得策といえます。
