成年後見のよくあるご相談5~「後見」「保佐」「補助」の違いはなんですか?
■「後見」「保佐」「補助」の違いはなんですか?
まず、難しい言い方をしますと、以下のようになります。
「後見」
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力を欠く常況にある者
「保佐」
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力が著しく不十分な者
「補助」
精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)によって判断能力が不十分な者
「後見」とは、植物状態であったり、日常会話が全くできなかったり、他人の支援なくして生存することが危ぶまれる人が該当します。
「保佐」とは、簡単なことは自分ですることが出来るが、不動産の売買や訴訟・贈与といった比較的重要な事項については、支援が必要という人が該当します。
「補助」とは、日常生活は自分で問題なく送ることができるが、特定の法律行為については支援が必要という方が該当します。
あくまで、人の状態を言葉で表現しただけで、どれに当てはまるかは微妙なことも多くあります。
そこで、専門家である医師に、どの類型にあてはまるのかを診断して貰い、決定することになります。
■後見人はどんな人を選べばよいですか?
成年後見人には、包括的な代理権が与えられています。
もちろん法律的な縛りや倫理的な拘束はあるにしても、基本的には何でも行うことができます。
そのため成年後見人は家庭裁判所の監督下にありますが、自分自身をしっかり管理・コントロールできる人がよいでしょう。
他人の財産を管理するわけですから、高い倫理観を有する人が望ましいでしょう。
また、後見制度を利用している本人は当然のこと、その家族としっかりコミュニケーションをとれる人がよいです。
よくある苦情としては、後見人となった弁護士・司法書士が好き勝手にやっているというものです。
専門家は守秘義務がありますので、全てを家族にお話しするわけにはいきませんが、できるだけ家族とコミュニケーションをとっていれば、こういった苦情も出てこないのではないでしょうか。