成年後見の管轄について
法律によって定められた成年後見人を利用したいという場合、家庭裁判所への成年後見制度の利用申し立てを行う必要があります。
家庭裁判所への成年後見制度の利用申し立てはどこの家庭裁判所で行ってもよいという訳ではなく、成年後見制度を利用する人である成年被後見人の住所地を管轄している家庭裁判所へ成年後見制度の利用申し立てを行う必要があります。
成年後見制度を利用する成年被後見人の住所地の管轄となる家庭裁判所については、成年被後見人の住所として住民基本台帳に記載されている住所を管轄している家庭裁判所が成年後見制度の利用申し立ての該当裁判所となります。
成年後見制度の利用申し立て裁判所は成年後見制度を受ける成年被後見人の最寄りの家庭裁判所ではありませんので、注意しましょう。
また、成年後見制度を受ける成年被後見人が短期間の老人ホームや施設への入所を行って生活している場合には、あくまで住所地であり、「居所」ではありませんので留意しておく必要があります。
ただし、例外もありますので、事前に司法書士に相談して下さい。
成年被後見人の住所については、特別養護老人ホームなどに長期間の入居が認められた場合には住所として認定される場合もあります。
成年後見制度の利用開始の申し立てをする場合には注意しなくてはいけない点がいくつかあります。
上記のとおり、成年後見制度の利用開始の申し立てを管轄の家庭裁判所に行う場合には、あくまでも成年後見制度による成年後見を受ける成年被後見人の住所地を管轄している家庭裁判所に成年後見制度の利用開始の申し立てを行う必要があります。
よく勘違いしている人が多いのですが、成年後見制度の利用開始の申し立ては申し立て人の住所地ではありませんので注意しましょう。
また、成年後見制度の利用開始を管轄の家庭裁判所に申し立てを行う事が出来る人は、成年後見人である本人、配偶者、4親等内となる親族、未成年の後見人、保佐をする保佐人、補助をする補助人、裁判所の検察官などがあります。
また、これらの人達以外にも自治体の市町村の長が成年後見開始の申し立てを行う事も可能です。
成年後見制度の利用開始を管轄の家庭裁判所に申し立てる際の申し立て方法や書類への記入などについて難しい、または分からない、時間が無い、という事であれば、成年後見制度の利用開始に伴う申し立て書類の作成および申し立て書類に添付する書類の作成や収集作業を司法書士に依頼する事も認められています。
なお、依頼できるのは司法書士と弁護士だけであり、行政書士は行うことができませんので、ご注意下さい。
成年後見制度の利用開始を申し立てる際にあるミスが「成年後見制度の利用開始を申し立てる管轄の家庭裁判所を間違えてしまう」というものです。
成年後見制度の利用開始を申し立てる管轄の家庭裁判所については、家庭裁判所の電話番号に電話をかけるか、家庭裁判所のホームページ内に管轄に関する記載がありますのでまずは利用開始を申し立てる前に成年後見制度の管轄について確認しておくようにしましょう。
また、住民基本台帳や住民票に登録されている成年後見制度を受ける成年被後見人の住所地に成年被後見人が住んでおらず、成年被後見人が他の住所地にある老人ホームや施設、病院などに居住している場合には居住期間によっては居住先の老人ホームや施設、病院などが成年後見制度を受ける際の住所地として認定される場合もありますので、成年後見制度の利用開始申し立ての際の成年被後見人の住所地については家庭裁判所に尋ねる、もしくは司法書士に成年被後見人の住所地がどこになるのかを確認しておく事をおすすめします。
