成年後見制度のメリットとデメリット①
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
ここ最近、みなさんから本当によく聞かれる質問にお答えしたいと思います。
成年後見制度を利用しようと検討しているのだけれど、
メリットとデメリットを教えてください、という質問です。
確かに、成年後見制度を利用しようとされている方は、
必要に迫られてという方がほとんどだと思います。
そこで、
特にデメリットは気になるかと思いますので、お答えしますね。
まずは、関心の高いデメリットから。
2か月〜4か月と時間がかかります。
→基本、裁判所はなんでも遅いです。
特に近年、成年後見制度の利用者が急増していることから
裁判所も手一杯になっているようで、このくらいの時間は
みておいてください。
ただし、地方の暇な裁判所では1週間というところもあります。
2.会社の取締役に就任できなくなったり、弁護士や医者等の一定
の資格に就けなくなったりといった資格制限があります。
→認知症や精神的障害があっても非常に鋭い質問をしたり、
アイディアが浮かんだりと一様ではありませんが、
他人の財産や生命を動かすような地位にはつけなくなってしまいます。
関係ないですが、寝たきりの叔母が昔のことを詳細に覚えていたり、
計算だけはしっかりできたりして、とても驚いたことがありました。
3.成年後見が開始すると途中でやっぱり止めます、
といっても本人が元気になって回復するなどしない限り、
制度利用の中止はできません。
→これから成年後見制度を利用しようとしている人は、
あまり止めるときのことまで考えていないのが普通です。
でも、一度利用してしまうと、原則止められないのです。
4.本人の財産はすべて家庭裁判所の管理下におかれ、
家族であっても自由に使うことはできなくなります。
→意外に多いのが、障害者の親の年金を自分の生活費に充てていたり、
面倒を見ているから多少使い込んでも良いだろうというケースです。
成年後見が開始したらアウトです。
本人の財産は本人のために使うという原則が徹底されます。
そして、財産状況など年に1度裁判所に報告をしなければなりません。
長くなってしまったので、メリットは次回に続きます。