成年被後見人のリバースモーゲージの利用
■リバースモーゲージとは?
「リバースモーゲージ」という言葉を聞いたことはありますか。
まだそんなに一般的な言葉ではないので、ご存知ない方のほうが多いかと思います。
リバースモーゲージとは、アメリカではかなり前に導入された制度ですが、自宅を担保として銀行から融資を受けて、借りたお金は本人が死亡したときに、売却することで一括返済をするというものです。
■普通の融資との違いは?
普通の融資との違いは、毎月生活資金の融資を受ける点です。銀行などから毎月生活資金として、10万円融資してもらい、亡くなるまでもらい続けるのです。
普通の融資は、1000万円借りたら、一括で入金されてしまいますね。
リバースモーゲージは、持っている不動産を有効活用し、毎月の生活を心配なく過ごすことができるという画期的な制度です。
持ち家がある高齢者なら、売却してその代金で生活すればよいかと思われますが、実際高齢者が自宅を処分し、新しい場所で生活するというのはしんどいものです。
そこで、住み慣れた自宅に住みつつ、不動産としての価値を最大限に利用しようとするものです。
■成年被後見人がリバースモーゲージを利用するには?
リバースモーゲージを成年被後見人が利用する場合、被後見人の不動産に根抵当権を設定しなければなりません。
これは、被後見人の不動産を売却するのと同じですので、家庭裁判所に許可の申立てを行なわなくてはなりません。
■リバースモーゲージの三大リスク
①借りた人が予想以上に長生きした場合、②住宅価格が大幅に下落した場合、③金利が予想より上昇した場合には、担保割れをおこすことがあります。
これらのリスクに対しては、借主側が負担するような制度設計になっていることが多いと思いますので、契約内容をよく読み、後見人はしっかり理解しておくことが必要といえます。