成年被後見人は印鑑登録を受けることが出来ないと聞いたのですが。
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
成年被後見人は印鑑登録を受けることが出来ないと聞いたのですが。
はい、成年被後見人は、印鑑の登録を受けることが出来ません。なぜなら、被後見人の印鑑証明書が必要となる場合は、後見人の印鑑証明書を持って代替できるからです。後見人選任の審判が確定したのち、被後見人あてに印鑑登録を抹消しましたという通知が郵送されてきます。それが郵送されてきましたら、印鑑カードはハサミをいれて破棄してしまってください。
印鑑登録というのは、15歳に満たない者及び成年被後見人を除きすることができます。印鑑証明書を求められる典型的なケースは不動産の売買です。
被後見人はとてもではありませんが、不動産の売買のように複雑で重大な契約を行うというのは無理です。
このケースでは、後見人が契約を代理して行い、後見人の印鑑証明書を用意することになります。
被保佐人・被補助人の場合はどうですか?
被保佐人・被補助人の場合、被後見人のように印鑑得をすることができないものにふくまれていないため、登録を受けることができます。
これは、被保佐人・被補助人は、保佐人・補助人の同意を得て法律行為をすることができるため、本人の同一性や文書の真性を担保するため、本人自身の印鑑証明書を用意することになります。
余談ではありますが、現在の役所の運用では、印鑑証明書は印鑑カードがあれば、だれでも印鑑証明書を取得することが出来ます。
もちろん、印鑑カードを発行してもらうときには、厳重に本人確認を行いますが、その後の印鑑証明書の発行の場面ではあまりにゆるすぎる気がします。
「印鑑カード+本人確認」なら分かりますが、印鑑カードだけで持っていれば、誰でも取得できてしまう今の制度には少し疑問が残ります。