被後見人が生活保護を受ける手続き
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
兄は独身で、面倒を看る家族は兄弟しかいません。
財産状況は全く分からなかったのですが、後見人就任後、調べてみると年金だけで、ほとんど財産がないことが分かりました。
入院費もかかりますし、これ以上、自分が代わってお金を出し続けることもできません。
そこで、生活保護の申請をしたいと思うのですが、どのようにすれば良いでしょうか?
生活保護とは、生活に困窮する者に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とする制度のことをいいます。
後見人は、被後見人が生活保護を必要とする場合には、財産管理の一環として、生活保護の申請手続きを行うことになります。
生活保護の申請をするには、居住地を管轄している福祉事務所になります。
相談窓口がありますので、そこで相談員に相談することが可能です。
居住地がない場合や住所不定という場合には、現在地を管轄する福祉事務所に相談することができます。
生活保護を受けられるかどうかの判断は世帯単位で行われます。
世帯の全員が、利用できる財産や能力などあらゆるものを活用して生活を維持していることが前提となります。
当然、ギャンブルや遊行費など使ってしまってお金がないという場合には、生活保護の受給の条件に該当しません。
また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
親族から援助を受けることが出来る場合には、その援助を受けなければなりません。
援助してくれるものがいない場合や援助することが出来ない場合に、はじめて生活保護の利用可能性が出てくることになります。
生活保護の申請は、本人はもちろんのこと同居の親族や扶養義務者が行うことができます。
申請書類は、生活保護申請書、収入申告書、資産申告書、同意書になります。
なお、ケースによって必要書類が変わってくることもありますので、申請前の相談時に、必要な書類の確認をしておくと良いでしょう。
生活状況の調査や資産調査などを行った上で、生活保護の申請日から原則として、14日以内に生活保護を受給可能かどうか回答してらうことが出来ます。
なお、生活保護の申請をしてから生活保護が開始されるまでの生活する費用がないという場合には、社会福祉協議会が行う「臨時特例つなぎ資金貸付」という制度を利用することもできます。