親の財産を管理したい(財産管理契約)①
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
月に10数件あるご相談の中で、まれにあるのが親の財産を管理したいというものがあります。
これだけでは、「まれ」ではありませんが、親の頭(判断能力)はしっかりしているのだけれども、足腰が弱っていて家からでることができない。なので、親に代わって財産管理をしたいのです、というものです。
実際、今のお年寄りの多くはしっかり自分で判断することができる方が多い気がします。
しかしながら、80歳を超えると体がだいぶ弱ってきますので、家族が財産管理をする必要が出てきます。
そこで、「財産管理契約」という方法が出てきます。
財産管理契約というのは、通帳の管理や年金の受領など全財産について管理することをいいます。
日常生活に必要な支払や日用品の購入まで幅広く契約内容に盛り込むことができます。
もちろん、全財産ではなく一部の財産について対象とすることも可能です。
また、医療に関する契約を締結したり、介護認定の申請を代わりにしたりすることも可能です。
財産管理契約は民法上の委任契約にあたるため、報酬を定めていれば発生しますし、無報酬と定めることもできます。
ご家族の方が管理するようにすれば、通常無報酬か低額な報酬にすることが多いです。
親の財産管理をしたいという場合、親の頭(判断能力)がしっかりしていれば、成年後見制度は利用することはできません。
なぜなら、【成年後見制度というのは、判断能力が低下した方のための制度】だからです。
次回は、「財産管理契約」をする場合のメリットと注意点についてです。