後見制度を利用しなかった場合の失敗事例
母1人子1人の家庭のお話です。Aさん(母)の判断能力は正常です。
しかし、最近健康を害し入院しなければならなくなりました。
娘のBさん海外留学中で、Aさんの世話はAさんの兄Cさんが行うことになりました。
Aさんが自分で入院費等の支払いができない状態なので、財産管理委任契約を締結し、CさんがAさんの財産を預かることになりました。
Cさんの財産管理の報酬は月10万円で、その上、Aさんの病状が悪化すると、ほとんどの財産を受け取れるような遺言を書かせました。
Bさんは母親が入院したことは知っていましたが、重い病状であることや、財産管理委任契約まで締結している事実は知らされていませんでした。
間もなくAさんが亡くなり、Bさんが帰国して、遺産を確認してみるとほとんどなくなっていました。
このように家族親族ですと、財産管理が非常に甘くなりやすく、結果、血縁関係にある親族間、兄弟間などで争うことになり、非常につらい思いをしなくてはならないのです。
このようにならないためには、成年後見の専門家であり、第三者である司法書士に財産管理をしてもらうことも検討するべきだと思います。