後見人が死亡した場合
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
後見人である私に万一のことがあった場合には、子供はどうなってしまうのでしょうか? また、一から成年後見の手続きをやり直さなければならないのでしょうか?
相談者である後見人が亡くなってしまっても、後見制度を利用していることには代わりはなく、新しい後見人を選任するということになります。
一から成年後見の手続きをやり直す必要はありません。
成年後見人が、死亡してしまった場合や病気などの理由により誰もいなくなってしまった場合には、家庭裁判所は、被後見人である子供自身の請求、あるいは親族その他利害関係人の請求により職権で新しい後見人を選任することになります。
一度開始した成年後見を後見人がいなくなってしまったことによって、利用できなくなると、被後見人にとって不利益になってしまします。
そこで、後見申立てのときよりも、請求権者の範囲が広く、利害関係を有する者も家庭裁判所に新しい後見人を選任するよう請求することができます。
病院に入院している者であれば院長、老人ホームに入っていれば施設長も請求することが出来ます。
本来であれば、今までの後見人から、新しい後見人に直接財産の引継ぎをしてもらい、今までの後見事務の状況を聞き取りし、状況を把握することが出来るのが一番です。
しかしながら、後見人が亡くなってしまった場合には、そのようなことはできません。実際のところ、新たしい後見人が裁判所から後見事務の報告書類などを閲覧して状況を把握するしかなく、また、財産については後見人であった母親の相続人から引き継ぐことになります。
難しい問題ですが、母親の相続人が、新たしい後見人が選任されるまで財産の管理などの後見事務を引き継がなければならないこともあります。
しかし、これは実際難しいと思われます。
被後見人と係わり合いがあり、ある程度状況を把握している人なら分かりますが、突然後見業務を引き継げと言われても難しいでしょう。
もし、後見人自身が高齢であったり、身体に不安があるような場合には、万一のことが起きる前に、別の後見人を選任してもらうか、自分を含めた複数の後見人を選任してもらうと良いでしょう。