成年後見を利用する為に必要な鑑定とは?
【成年後見について】
成年後見とは、民法によって定められている制度になっており、2000年4月1日より、禁治産制度に代わり、この成年後見人制度が開始されるようになりました。
日本の社会には、様々な事情により十分な判断能力がない人が生活しています。そのような人たちが、様々な犯罪の危険に合う事がないように保護する事が目的となっており、契約などを行う際に手助けする事ができる人を付ける事ができるのが、この成年後見と言う制度になっています。
この制度には、3つの種類があり、後見、保佐、補助と別れています。
その中でも、後見が一番思い人に携わる人になっており、民法7条により「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」となっており、日常的な買い物においても、後見人の助けが必要となっている際、この後見にあたるとされています。
保佐や補助に関しては、日常生活においては、支障のない人や財産のみの関与が必要となる人などとなっており、比較的、軽い人が利用する内容になっています。
これらのどれに値するかと言う判断は、精神鑑定を元に家庭裁判が定めると言う事になっており、家庭裁判所の依頼を元に鑑定が行われ、その結果を元に成年後見の有無などについて考慮される事になっています。
【成年後見の鑑定について】
成年後見が必要であるかについては、家庭裁判所に申し入れを行い、判断を行う事になっています。その際、必要になってくる資料として、精神科医にによる精神判定の鑑定が重要な資料になってきます。
基本的には、家庭裁判所から精神科医に鑑定を依頼する事が多くなっていますが、中には、主治医本人が成年後見について鑑定を行う場合もあります。どちらにせよ、成年後見の鑑定においては、重要な資料になる事は変わりありません。
主治医の中には、成年後見に関しての診断書を拒む医師も少なくありません。その多くは、精神科医ではなく、他を専門にしている医師が多いとも言われています。その為、主治医に鑑定を依頼したいと思う場合は、あらかじめ、その旨を伝え、鑑定を行ってもらう事ができるのかについて確認しておく事をお勧めします。
また、認知症が原因の場合などは、地域の認知症疾患医療センターの医師などを紹介してもらう事で、スムーズに進めて行く事が可能になっています。
とは言っても、家庭裁判所に申し出た際、主治医以外への精神鑑定を行う事もあり、2重での診断を受け、初めて成年後見が認められる事も少なくありません。
【成年後見の鑑定費用について】
家庭裁判所に申し出を行い、審査によって決まってくる成年後見ですが、先天的な病気を除き、その判定には、精神鑑定が必要になってきます。相場としては、鑑定料として5万円程度必要になってきます。中には、10万円程度必要な場合もある為、予算としては10万円程度見ておくと安心かと思います。
その他、成年後見を家庭裁判所に申し出る場合、鑑定費用の他、手続きに必要な費用など様々な費用が必要になってきます。