銀行における後見人の登録
みなさん、こんにちは。
東京・渋谷の司法書士の新宮信之です。
まず、後見人に選任された場合、被後見人名義の銀行口座について、後見人の管理下にあると分かるように手続きを行わなければなりません。
銀行によって、若干必要書類は異なりますが、概ね以下のようになります。
<登記事項証明書>
後見人であるということを証明するための書類です。金融機関からは特に3ヶ月の期限については説明されませんが、発行後3ヶ月以内のものを用意しておくと良いでしょう。
なお、後見人に選任されたもののまだ登記が完了していないという場合もあります。その場合には、後見人の選任審判書と確定証明書が必要となります。確定証明書は、家庭裁判所に依頼すれば、発行してもらうことができます。
<身分証明書>
運転免許証があればそれで構いません。もし、運転免許証がなければ、保険証や住基カードでも良いかどうかは事前に確認しておくと良いでしょう。顔写真入りの住基カードは、免許証と同じように通常であれば取り扱われます。
<実印・印鑑証明書>
登記事項証明書と同じように3ヶ月以内のものを用意しましょう。
銀行によっては、口座をもっている店舗でしか後見人の登録手続きができない場合があります。逆にどこの店舗でも手続きが可能という場合もあります。いきなり銀行の店舗に行くのではなく、事前に後見人の登録をしたい旨伝え、手続き方法を聞いておきましょう。
手続きに掛かる時間は短くても1時間程度かかります。口座の数が多かったり、貸金庫を借りていたりすると、2時間くらい掛かることもあります。時間には余裕を持っておきましょう。
どこの銀行でも言われるのですが、午後は込むので午前中に来て下さいといわれます。後見登録の手続きは時間が掛かるので、銀行窓口をずっと占領されるのは困るのだと思います。銀行側の担当者のレベルも様々で、ベテランの方に当たれば良いのですが、マニュアルを見ながら進めていったり、別の担当者に一々確認しに行く方もいたります。
後見人として財産管理を行う上で、口座が多数あると管理が非常に煩雑になり、ミスも発生しやすくなります。
できるだけ、メインの口座を決め、統合していくと簡便です。逆に、多額の資産を持っている場合には、銀行を分散させることも重要です。
銀行が倒産するということは考えづらいですが、一つの銀行に全額を預けるというのもまたリスクになります。