叔父(叔母)の成年後見の申立てをしたケース【法定後見】
【ご相談者様の状況】
最近ご相談が多くなっているのが、自分自身の両親の後見申立ではなく、叔父や叔母の後見申立です。生涯独身という方もいらっしゃいますし、結婚したものの子供がいないという方もいらっしゃいます。そうすると、高齢になった場合に頼れるのが、甥姪ということになります。その甥姪からのご相談です。
今回の相談者様のケースは、未婚で子供がいない叔父のことで困っているので相談させて欲しいということでした。叔父は病気がきっかけで認知症になり、今後金融機関や役所の諸手続きを相談者様が行わなくてはならないので、成年後見制度を利用したいとのことでした。
叔父が頼れるのは唯一相談者様だけで、相談者様も子供の頃にとても親切にしてもらったので役に立ちたいという想いがあるようです。
ただし、相談者様はまだまだ現役バリバリで仕事をしており、会社でも重要な管理職に就いていたため、自分が後見人になりたいが、当事務所の新宮司法書士も一緒にやってくれないかという要望がありました。
どうしても金融機関や役所の手続は、平日しか行うことができないため、当事務所の新宮司法書士も合わせて後見人となることで、円滑に後見業務を行えるようにしたいとのことでした。
【当事務所のサポート内容・結果】
叔父は、東京近辺の有料老人ホームに入所しており、認知症が進んでいたため、ご自身で財産管理を行うことができず、またホームの費用も支払うことができなかったため、住所地を管轄する東京家庭裁判所へ成年後見の申立てを行い、相談者様と新宮司法書士が共同で後見人となることができました。
空き家となっているご自宅の電気、水道、ガス、NTT、火災保険などの契約の有無を確認し、不要なものは解約し、郵便関係の書類も当事務所へ届くように各所へ連絡しました。また、各金融機関へ預貯金の調査を行いました。叔父から相談者様が教えてもらっていない口座も発見することができました。さらに、ずっと利用していない携帯電話やインターネットの解約など無駄な出費のものも順次解約していきました。
相談者様は、土日に叔父の話し相手や体調管理を行う身上監護を行い、新宮司法書士は事務手続きなど財産管理に特化して役割分担を行い、スムーズに後見業務が行えるようにしていきました。
当事務所では、今回のケースのように、親族の方と当事務所の司法書士の2人が後見人となることが多いです。後見人となる親族の方にとっては、後見人業務が負担となることも多く、複数で後見人になるメリットは大きいです。後見業務に特化した司法書士が一緒に後見人となることで、業務量の軽減、不安の解消、後見業務のリスク管理が行えます。また、身上監護の面においては、第三者よりも家族・親族の方が行うほうが好ましいことも多いため、当事務所では今回のようなケースが増えています。
なお、後見業務の経験があまりない弁護士や司法書士と、複数で後見人なるとかえってトラブルや役割分担がうまくできず非効率となることがあります。専門家に後見人を依頼する場合には、その専門家がどれくらい経験があるのかを確認されたほうが良いでしょう。
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