当事務所が任意後見人を依頼されたケース【任意後見】
【ご相談者様の状況】
相談者様はまだ65歳と若く、任意後見契約を考えるような年齢ではありませんでした。相談者様には奥様と子供がおりましたが、家族ではなく、当事務所に任意後見人になって欲しいというご相談でした。
任意後見契約は通常70歳を超えた方が締結するケースが多いです。中には早い段階で自分の将来のため締結しておきたいという方がいらっしゃいます。相談者様はご両親の終末期の介護で大変苦労されたそうで、奥様やお子様には負担を負わせたくないという家族思いの理由がありました。
【当事務所のサポート内容・結果】
相談者様はまだ若いためご自身でもしっかり勉強されていましたが、一から任意後見制度について説明差し上げました。初回相談時は相談者様の状況のヒヤリングと説明で3時間程度掛かりました。法定後見のご相談の場合には1時間程度ですが、任意後見契約の場合には3時間程度は通常掛かります。簡単に済ませてしまう事務所も多いですが、初回のヒヤリングと説明が一番重要で、当事務所は特に時間を確保して行うようにしています。中には、任意後見契約を利用しない方がいい方もいらっしゃいます。まずは、利用すべきかそうでないかの判断を初回相談時に行います。
相談者様の場合には、利用すべきと判断しましたので進めることにしました。任意後見契約に関連する契約「見守り契約」「財産管理契約」「死後事務委任契約」も一緒に契約すべきかどうか、当事務所で案をいくつか用意することとしました。
2回目の打合せ時に複数の案を提示し、その中からフルセットである「見守り契約」「財産管理契約」「任意後見契約」「死後事務委任契約」を締結することになりました。まだお若いので「見守り契約」を入れるかどうか相当話し合いましたが、相談者様の金銭的な負担がほぼ無いような内容とすることで決まりました。各契約書案の説明と質問受けを3時間程度繰り返しながら、2回目の打合せは終了しました。
3回目の打合せは、前回の打合せ内容を踏まえ各所修正したものの確認です。当事務所では大変手間のかかる作業ではありますが、契約書の内容一文一文全部を読み合せて確認を行います。ここまでする事務所は少ないと思いますが、相談者様が分からないことや誤解していることなどが無いようにするためです。すべて読み合せを行いますので、また3時間程度掛かります。
3回目に行った作業を納得がいくまで続けていきます。1回説明を受けただけでは、その場では理解してもすぐに忘れてしまうことが多いです。同じことでも繰り返し説明差し上げました。
最終的に契約内容に納得して頂き、公証役場で正式な契約書の作成となりました。今でも時々電話でお話ししますが、まだまだお元気です。
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