発達障害のある弟を助けて欲しい【法定後見】
ご相談者様の状況】
区の社会福祉協議会の担当者経由でのご相談でした。70代後半のお兄様から発達障害のある弟様が酷い生活をしているので助けて欲しいというものでした。弟様は昨年母親が亡くなるまでは、その母親に面倒を看てもらいながら生活していましたが、その母親が亡くなってからは、食べ物はインスタントラーメンだけで、お風呂もあまり入らないような生活を送っていたようです。かろうじて一人で生活できていますが、どこか施設に入れた方がよいのかなど悩まれていました。
【当事務所のサポート内容・結果】
今回のケースは、高齢で認知症というわけではなく、まだ一人で生活できていることから弟様の生活状況や弟様の話も聞いてみようと思いました。担当のケアマネさんがいらっしゃったので、そのケアマネさんとともに、ご自宅に伺いました。必ずご本人とお会いするときには、ご本人のことをよく理解している人に同行して頂くようにしています。突然私が話を聞きに行くと混乱してしまうことがあるからです。
弟様とは問題なく会話ができ、保佐人として私がサポートすることについてご理解頂けました。施設入所については、まだそんな年齢ではないから自宅で生活したいというご希望でした。
とりあえず、医師の診断書は「保佐類型」と記載がありましたので、保佐の申立を行いました。「保佐」「補助」の場合には、家庭裁判所の調査官という方が、必ずご本人とお会いし、状況を確認することになっています。保佐申立後に調査官と共にご自宅へ行き、状況を確認して頂きました。その後、1週間程度で私が保佐人として選任されました。
最低でも1週間に1回はご自宅へ訪問し、生活状況を確認しました。ご自宅にレシートを入れる箱を用意し、そこにすべてのレシートを入れてもらうことで、どんなものを買っているのか、食べているのかを把握しました。インスタントラーメンの食事が多かったため、配食サービスを手配しました。好みがありますので、数社のお試しをしたのち、1社に決定しました。毎日配食サービスの食事では飽きてしまうので、辞めてしまわない程度の週3日からスタートしました。
その後2年ほど経過してから、折を見て話をしていた施設入所について、ご本人から入所したいと連絡がありました。23区内はなかなか空きがありませんので、区外の施設を探して入所することとなりました。ご本人に会いに来る人は基本的に私一人なので、私が行くと良く色んな話をしてくれました。同じ話が多いですが、それでも色々と話をしてくれるのは嬉しいものです。テレビが好きで、事務所近くの家電量販店で購入し、電車が込まない土曜日の早朝に施設へお届けするととても喜んでいました。
自宅からは離れてしまいましたが、今は施設で元気に生活しています。
※個人情報に配慮し、一部内容を修正している場合があります。