後見業務で知っておきたい用語
司法書士の業務には登記や裁判業務などがありますが、後見業務はこれらと全く関係がないとまではいきませんが、知らない用語が結構出てきます。これから成年後見業務をやっていきたいという人にもそうですし、備忘録として書いていきたいと思います。思いつくまま書いているのでランダムになっています。
【レビー小体型認知症】
「レビー小体型認知症」という用語は、裁判所へ提出する診断書に書かれていることが多いです。最初のうちは特に診断書はサラッとしか見ていませんでしたが(お医者さんが書いているので間違いはないだろうと思って)、色々な方の診断書を見ているうちに、よくこの用語が出てきていたので、ちょっと気になって調べてみました。
レビー小体型認知症はいわゆるよく聞く「アルツハイマー型認知症」に次いで多い認知症の類型です。アルツハイマー型認知症は女性が多いのに対し、レビー小体型認知症は男性が多いとのことです。ちなみに、脳血管性認知症というものもあります。横浜市立大学名誉教授の小阪憲司先生が発見した病気で、現在50万人ほどの患者さんがいます。主な症状としては、初期に幻視・幻覚がる。無秩序な行動をとったり、睡眠障害が現れたりします。
【見当職障害】
見当職障害も診断書に書かれていて、専門職の方はよく見るかと思います。見当職障害とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握することが困難であることをいいます。時間的な認識がなくなると待ち合わせに遅れたり、予定に合わせて行動することができなくなります。また、方向感覚もなくなると迷子になることもあります。
【医療費控除】
医療費控除という言葉は、普通に生活している一般の家庭でも出てきますのでよく分かっているかと思いますが、改めて書いておきます。
自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることができます。200万円を上限として、年間の医療費の負担額が10万円を超えた場合(所得金額200万円未満では「所得金額×5%」)、その超過する金額につき、所得控除となります。
【高額療養費】
後見の申立をする際に、収支表を裁判所に提出するのですが、この収入の欄に高額療養費が載ってくるケースよくあります。高額療養費とは、その月に掛かった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額自己負担限度額を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
蛇足ですが、医療保険はつくづく不要だなと思います。日本の医療保険制度で十分です。しかし、保険屋は煽りに煽って医療保険に加入させるんですよね。しっかり勉強しない私も悪いのですが。
【限度額認定証】
70歳未満の人が「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関の窓口に提示すると、支払い額が自己負担限度額までとなります。高額療養費と異なり、後払いではなく、最初から自己負担限度額だけを支払えばよく、一時的に自分の手元からお金がなくなることがないのがメリットとなっています。
【特別養護老人ホーム】
介護保険法では、「介護老人福祉施設」といいますが、通常特別養護老人ホームとか、特養とかいいたります。要介護3以上の方で、常に介護を必要とし、自宅での介護が困難との事情が必要となります。比較的低価格で、手厚い介護を受けることができるので、常に順番待ちの状態です。なお、要介護1・2の方は特別な事情があれば、入所も可能です。最寄りの特養に確認してみるとよいでしょう。所得にもよりますが、5~13万円程度で入所が可能です。