収支状況報告書の提出を求められる場合
収支状況報告書の提出を求められる場合
現在、東京家庭裁判所の運用では、初回報告時には財産目録・年間収支予定表を、定期報告時には後見等事務報告書・財産目録の提出が求められます。以前は、収支状況報告書の提出が必須でありましたが、現在の運用では家庭裁判所から求められた場合に限り、提出するようになっています。
我々司法書士や弁護士が後見人等に就任した場合には、日々の収支を1円違わず記録をつけていますので、「今すぐ収支状況報告書を提出して下さい」といわれても印刷するだけなので、即日提出することができます(専門職の中には収支の記録をつけていない人もいるみたいですが。。ごくごく少数です)。
ただ、当事務所が成年後見の申立て支援のご依頼を受けた場合で、その申立人が後見人等となる場合には、必ず収支の記録はつけるように伝えています。定期報告時に必ず提出するものではありませんが、親や親戚でも他人の財産を管理するわけですから、当然収支の記録はつけるべきなのです。もっといえば、収支の記録をつけずに管理することはできません。
では、どういった場合に家庭裁判所から収支状況報告書の提出を求められるのでしょうか?
家庭裁判所から基準は公表されていませんが、10万円以上の臨時の収入または支出があった場合や今までの定期的な収入または支出から大きく変化があった場合に収支状況報告書の提出を求められるケースが当事務所では多いです。当事務所では、いつでも家庭裁判所に提出できる状況なので、定期報告時に一緒に提出したいのですが、求められた場合に限り提出せよ、とありますから、提出はしていません。定期報告書類提出後に担当書記官から収支状況報告書も提出して欲しい旨連絡を受けてから、郵送しています。送料がもったいないですよね。これは被後見人等のご本人の財産から支出することになるわけですから。
(※現在当事務所では収支状況報告書は、必ず提出することとしています。)
なので、今まで何回も定期報告をしてきたのに、収支状況報告書を提出しなさいと急にいわれると、何か疑われているのではないかと不安になる方もいるかと思いますが、必ずしも疑っているわけではなく、上記のように形式的に提出を求めていることもありますので、過度に不安になる必要はありません。なお、裁判所が本当に横領など不正行為をしていると疑っている場合には、「調査人」という人が選任され、その者から調査を受けることになります。
収支状況報告書は、日ごろ収支の記録をつけていれば、その集計をするだけですから特段難しいことも、煩わしいこともありません。定期報告時に合わせて作成しておき、手元で保管しておくというのがよいでしょう。