後見人となる人に年齢制限があるのか
後見人となる人に年齢制限があるのか
当事務所では、成年後見の申立てに関して基本的に無料相談を行っているため、非常に多くの方の質問に答えてきました。東京はもちろん、埼玉、千葉、神奈川から当事務所へご来所頂いております。最近気になった質問を受けたので、ご紹介します。
兄弟の成年後見人になりたいが、別のところで相談したら年齢制限があるという説明を受けました。私は75歳ですが、年齢制限の規定に引っかかってしますようです。やはり諦めたほうがよいのでしょうか?
という内容のご質問でした。年齢制限の規定があるかないかという質問であれば、そのような規定はありませんとお答えします。法律上成年後見人(保佐人・補助人を含む)になれない人は法定されており、これを欠格事由といいますが、欠格事由は下記のとおりです。これ以外には欠格事由は存在しません。
1.未成年者
2.成年後見人等を解任された人
3.破産者で復権していない人
4.本人に対して訴訟をしたことがある人,その配偶者または親子
5.行方不明である人
特に年齢での制限は設けられていませんね。ただし、実際問題80歳のご本人の後見人が75歳というのは、どうみても後見人としての業務を全うできないことは明らかです。むしろ将来後見人となる75歳の方の後見人が必要になってしまうかも知れません。裁判所は年齢での基準は明らかにしていませんが、個々の事件について総合的に判断して、その判断材料の一つに候補者の年齢は当然入っていると思われます。
当事務所では、70歳を超えている方が後見人となっている例もあります。申立書類の中で、年齢を理由に候補者から外れることのないように、裁判所に対して訴えることが大切です。ただ単に、裁判所からもらった書類にそのまま記入して提出して、というのではダメでしょう。70歳を超えて後見人になりたいというのは、断然兄弟姉妹同士のケースが多く、他に頼れる人がいないからどうしても自分がなりたいという気持ちはよく分かります。当事務所では、後見人候補者が70歳を超えている場合は、そのご親族と当事務所の複数で後見人となることもあります。そのご親族に万一何かあった時でも、当事務所が対応できますし、普段から煩わしい事務的な手続きを当事務所が代わりに行うことができるため、ご親族にとってもメリットがあります。
もし、そのような方がいれば一度当事務所へご相談にいらしてみてはいかがでしょうか。今の日本人、特に女性はまだまだ元気ですから。