施設を移る場合に居住用不動産処分許可が必要か
度々書いていますが、居住用不動産の処分許可が必要か否かについて、今回も書いていきたいと思います。施設に移る場合に居住用不動産処分許可が必要かどうかという質問は、親族後見人の方のみならず、専門職後見人からもある質問なので知っておいて損はありません。
ご本人が介護施設に入所している場合、住所地はもともと住んでいた自宅に住所を置いている方が多いかと思いますが、中には介護施設に住所を移している方もいるかと思います。介護施設は病院と異なり住所を置かせてもらえます。ただし、皆さんが施設に住所を置く場合には、あらかじめ当該施設に可能かどうかをお聞きください。個室の場合だと部屋番号まで住所に入れてくださいと指定される場合もあります(ただし、この場合は施設内で部屋が変わった場合には住所変更の手続きが必要となります)。
さて、施設に住所を置いていた場合に他の施設へ移る際には、居住用不動産処分許可の申立は必要となるかどうかの話です。家庭裁判所の「よくある質問」に回答がありますが、許可申立は不要です。ご本人の状況により、老健からグループホームに移って、さらに特養に入って、最後病院に入院ということもあります。その度に処分許可をもらうのも煩わしいですし、次の施設や病院が見つからない限り追い出されるということも現実的にはほぼあり得ないかと思います。
もっとも、最近は普通のマンションに介護サービスが付いた形態のものもあります。そのような場合には許可申立が必要となることもあります。当然ですが、実態がどのようなものなっているかで裁判所は判断するようです。判断に迷われたら事前に裁判所へ必ず問い合わせをしましょう。早ければ翌日にでも回答してもらえます。また、監督人が付いている方であれば、事前に監督人へ相談してみましょう。