後見人に就任したあとの話①
当事務所のホームページをご覧になっている方には、これから後見の申立を行なおうとする人や既に後見人に就任されている人の両方の人がいるかと思います。
今回は、既に就任されている方向けです。
後見申立時に必ず裁判所から説明を受ける話ですが、毎年1回報告書の提出が義務付けられています。最近は裁判所も厳しくなってきましたが、一昔前はそんなに厳しくもなく、報告書を提出せず何年も経過しているといった例もあります。現在であれば、すぐに監督人を付けられるか、後見人自体を辞めさせられるでしょう。
毎年決まった月に報告書の提出が求められますので、忘れずに行ってください。
ご本人が生前から子供や孫にお小遣いやあげたり、お金を貸してあげたりすることは良くあることだと思います。しかしながら、あなたが後見人になっている場合、本人の財産を保全する必要があることから、必ずしも認められるわけではありません。
金額の多寡・状況などによっては、本人の利益を損なうものがあります。この場合、後見人を解任されたり、損害の填補を求められることもあります。
これは大丈夫かなと判断に迷ったら、家庭裁判所に聞いてみましょう。監督人が付いている場合には、監督人に相談しましょう。
【蛇足】
以前、10年間一度も報告書を出していないという方から、相談を受けたことがあります。実際にそんなことがあり得るのかなと思いましたが、後見人自身がそういっているのですから間違いありません。裁判所も管理していなかったのでしょうか。
定期報告書の作成を代行して行いましたが、やはり後日裁判所から一度来るようにと言われたそうです。その後は分かりませんが、被後見人の財産と後見人の財産を混同するなど、杜撰な事務処理だったので、恐らく監督人が付いたか、解任されたのではないでしょうか。
裁判所もよく10年間も放っておいたものだなと思いましたが、今回定期報告をしなければ逆になんのお咎めもなかったのかもしれません。
次回に続きます。