任意後見になることができる人・できない人
法定後見のように制約はなく、任意後見人には誰でも基本的になることはできます。なぜならば、委任者が自分の意思でこの人になって欲しいと考えているわけですから、法律でそれを制約するというのは適当ではないからです。本当に信頼できる家族や友人、司法書士や弁護士・社会福祉士のような専門家が望ましいでしょう。
■任意後見契約の効力が発生しない場合に注意
誰でも任意後見人となる人を契約で決めることはできます。
しかし、任意後見人になるとして決められた人によっては、任意後見契約の効力が発生しない場合があるので要注意です。
例えば、極端な例ですが、任意後見契約を結んだときには一緒に暮らしていたけれど、いざ委任者の判断能力が低下して任意後見監督人を選任しようとしたときに、その人が行方不明になっていたとしましょう。そうしたら当然、行方不明なのですから、委任者の財産管理など行うことはできません。
そういった場合には、任意後見人になる人(任意後見受任者)の不適格事由ありとして、任意後見人は選任されず、よって任意後見契約自体効力が発生しないということがあるのです。
<任意後見人になる人(任意後見受任者)の不適格事由>
1.未成年者
2.任意後見受任者が家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人または補助人である場合
3.破産者
4.行方不明者
5.本人(委任者)に対し訴訟をし、またはした者およびその配偶者ならびに直系血族
6.不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
このような人を任意後見人にしようとは通常思わないと思いますが、任意後見契約の効力が発生しなくなってしまうため、注意して下さい。